大切なデータは全て雲の上に

当サイトで「クラウド」と表現しているものは、「クラウドコンピューティング」を指します。

クラウドコンピューティングとは、従来は手元のコンピュータで管理・利用していたようなソフトウェアやデータなどを、インターネットなどのネットワークを通じてサービスの形で必要に応じて利用する方式。IT業界ではシステム構成図でネットワークの向こう側を雲(cloud:クラウド)のマークで表す慣習があることから、このように呼ばれる。
引用:IT用語辞典 e-words

国内でのクラウドサービス利用状況は、総務省が行っている通信利用動向調査で見ることが出来ます。クラウドサービスに関する調査が始まったのは平成22年末からですが、平成26年末までの5年間で利用率は約3倍となっています。

総務省「通信利用動向調査」より 国内におけるクラウドサービスの利用状況
(単位:%)
出典:総務省「平成26年通信利用動向調査」
クラウドの利用率は「全社的に利用している」と「一部の事業者または部門で利用している」の合計

 

クラウド化でタイムマネジメント

 

管理者によるコストマネジメントで大事になるのが、労務管理です。医療機関でのコストの大部分を占めるのは、人件費です。労働者、人材の有効活用を行うには、まず現場の業務を見える化し、その上で効率的な人員配置や、最適な診療予定の組み立てをシステム(体系)にしていく必要があります。

  • 効率的な仕事配分(スケジューリング)

時間に対する意識を高めて、予定した時間内で業務を遂行するように事前準備を心がける。

  • 時間の節約

診療や指導で法定時間は厳守した上で、それ以外の無駄な時間を極力減らす努力や、工夫をする。

  • 新たな価値の創造

空いた時間を有効活用してより質の高い業務を遂行する、またはそれを考える時間を創り出すことが重要です。時間管理を単なるコストカットとして捉えられてしまうと、結果として従業員の士気を下げることにつながってしまう場合があります。そうではなく無駄を省いて効率化することで、更により良い方法や、業務の質を向上することに力を注いでもらうことで生産性の向上を図ります。

クラウド化でナレッジマネジメント

知識や、経験を組織全体で共有し、スタッフのサービスの質を向上し、他院との差別化を図ります。またタイムリーに情報共有することで、多職種連携の強化や、医療提供時の危機管理にもつながります。

  • 個人の持つ情報を組織全体で共有する

スタッフが個々に持つ情報を組織全体で共有することで、医療やケアの質を一定に保つことが出来る。

  • 不測の事態に対応

診療や衛生指導を担当制にしている場合、不測の事態で無駄な労力や時間を費やすリスクがある。事前に情報共有化が進めば、担当制の必要はなく、効率的な人員配置も可能となる。

  • 人材育成の加速

個人が持つ成功・失敗事例を組織全体で蓄積していくことで、経験の浅いスタッフのスキルアップにつながる。

クラウド化でリスクマネジメント

危機管理を行うことは、事業を持続するにあたり大切な対策です。ここでは医療リスクを除き、情報セキュリティという観点から「クラウド化によるリスクマネジメント」を説明します。

  • 事業継続性の確保

クラウド上でデータを保管することで、火災や盗難、損壊等の物理的なデータ紛失を回避出来ます。また当然のことながら、組織を形成するのは「人」です。モラルハザードや、ヒューマンエラー等で医院経営にとって大事なデータを紛失、破損するリスクを回避出来ます。(参照:大切なデータは全て雲の上に)

  • ビジネスコンプライアンス(法令遵守)

各種業法にて定められている診療記録や情報提供等を適切に保存しておくことで、突発的な調査にも対応出来ます。

  • 人材の流動性に対応勤務医の独立、スタッフの入れ替わり等の引継ぎがあった場合でも、後任は蓄積された情報に基づき治療や指導を継続的に実施することが出来ます。